看護師と退職金問題

看護師として働いていて、1回目の転職の時に十数万円ですが退職金がありました。

何十年と働いた人が数千万円と受け取るイメージだったので若手も貰えるんだーと

不思議な気持ちになったことを覚えています。

けれどもこの退職金。国立病院・公立病院・大学病院・民間病院・クリニック・訪問看護でそれぞれバラバラで一口に退職金があるからと安心できるものでもないようです。

そこで今回は看護師の退職金について調べてみました

勤務先種類退職金相場(目安)
国立病院約1,800万~2,000万円
公立病院(都道府県立)約1,400万円
公立病院(政令指定都市)約1,900万円
公立病院(市町村立)約1,800万円
私立病院・クリニック約800万~2,000万円

引用元のデータ

内閣人事局「退職手当の支給状況

総務省|給与・定員等の状況|令和5年 給与・定員等の調査結果等

総務省「令和5年 給与・定員等の調査結果等

総務省|給与・定員等の状況|令和5年 給与・定員等の調査結果等

訪問看護ステーションはデータがありませんでした。※ちなみに私の勤務しているステーションはありません…

では結局、公務員系の病院か大きな病院でないと老後資金や生活に困ってしまうのでしょうか…

結論、つみたてNISAとiDeCoを活用すればそこまで心配する必要はありません。

最近よく聞くなー、もうやってるから大丈夫だよという方はよくある内容ですみません。。     ですが今回は看護師だからこそできる方法や何歳までにどれくらいの資産があればいいのかまで見てみます。

今回は老後資金を2000万円、受け取る金額を65歳として計算していきます。

シュミレーション1. 毎月積み立てる場合 

22歳から64歳までの期間で、毎月積立NISAで年利4%で運用し、65歳時点(64歳が最後の積立年)で2,000万円を受け取るための毎月の積立額を計算してみます。

運用期間:

 * 積立開始年齢: 22歳

 * 積立終了年齢: 64歳

 * 運用終了年齢: 65歳(この時点で2,000万円達成)

積立期間は、64歳まで積立を続けるため、64 – 22 + 1 = 43年間で積み立てていきます。

 * 目標金額: 20,000,000円

 * 年利: 4% (0.04)

計算式

目標金額:2,000万円

年利:4% → 月利 ≒ 0.0033

積立期間:43年間 → 516ヶ月

計算式: 毎月の積立額≒20,000,000×0.0033(1.0033)516−1≒13,995円\text{毎月の積立額} ≒ \frac{20,000,000 × 0.0033}{(1.0033)^{516} – 1} ≒ 13,995円毎月の積立額≒(1.0033)516−120,000,000×0.0033​≒13,995円

結論、22歳から64歳までの43年間、毎月約13,995円を積み立てNISAで年利4%で運用すれば、65歳時点で2,000万円を受け取ることができます。

よく見るシュミレーションですがいやいや、毎月一定額を新卒から定年前まで一定の金額を積み立てるなんて気が遠くなるわ😓という。方全くもって同意見です。ですので次のシュミレーションをみてみてください。

シュミレーション2. 30歳、35歳までにどれくらいの資産があればいいか

30歳から64歳、35歳から64歳までで、年利4%で2,000万円を受け取るために、それぞれの年齢で積み立てNISAにいくら分の資産があれば良いかを計算してみます。

30歳の場合の計算式😛 = F / (1 + r)^n

 * P: 現在の必要積立額(30歳時点での目標資産額)

 * F: 将来の目標金額(64歳時点での2,000万円)

 * r: 年利(4% = 0.04)

 * n: 運用期間(64歳 – 30歳 = 34年)

計算:P = 20,000,000 / (1 + 0.04)^{34}

P = 20,000,000 / (1.04)^{34}

P = 20,000,000 / 3.7943163405884057

P \approx 5,270,724

35歳の場合の計算式😛 = F / (1 + r)^n

 * P: 現在の必要積立額(35歳時点での目標資産額)

 * F: 将来の目標金額(64歳時点での2,000万円)

 * r: 年利(4% = 0.04)

 * n: 運用期間(64歳 – 35歳 = 29年)

計算:P = 20,000,000 / (1 + 0.04)^{29}

P = 20,000,000 / (1.04)^{29}

P = 20,000,000 / 3.118651451949559

P \approx 6,412,476

したがって、30歳時点で約5,270,724円、35歳時点で約6,412,476円の資産があれば、年利4%で運用した場合、65歳時点で2,000万円を受け取ることができます。

500万円とか600万円なんて大金あるか!ってツッコまれた方もいらっしゃるかと思いますが、少し待って下さい💦ここで看護師のアルバイトを活用します

仮に月に2回、夜勤のアルバイトをしたとします。(1回3万円で手取りをかなり低めに2万円とします。)

1か月4万円、1年で48万円、3年で144万円、5年で240万円、10年で480万円です。

とすると、現在貯金はあまりない、本業から大金を貯金に回さなくても解決するのではないでしょうか💡

いやいやいやいや、それでも500万円とか600万円なんて無理ですよ。。。             という方のために30歳から40歳まで、35歳から45歳までそれぞれ月に1回だけ夜勤(1回2万円)をして積み立てを続けるとどれくらい必要な金額が減るのかをシュミレーションしてみました。

シュミレーション3. 

30歳から40歳まで毎月2万円積み立てた場合

月に2万円、10年間(30歳から40歳まで)積み立てる場合の元本は以下のようになります。

2 \text{万円/月} \times 12 \text{ヶ月/年} \times 10 \text{年} = 240 \text{万円}

この240万円が40歳時点で年利4%で運用された場合、64歳までの24年間でいくらになるかを計算します。

240 \text{万円} \times (1 + 0.04)^{24} \approx 240 \text{万円} \times 2.563 \approx 615.12 \text{万円}

次に、64歳で2,000万円を受け取るために、40歳時点で必要な資産額を逆算します。

必要な資産額を X とすると、

X \times (1 + 0.04)^{24} = 2,000 \text{万円}

X \times 2.563 = 2,000 \text{万円}

X = \frac{2,000 \text{万円}}{2.563} \approx 780.34 \text{万円}

したがって、40歳時点で約780.34万円の資産が必要です。

この780.34万円から、積み立てによって得られる615.12万円を差し引くと、30歳時点で必要な資産額が算出できます。

780.34 \text{万円} – 615.12 \text{万円} = 165.22 \text{万円}

したがって、30歳時点で積み立てNISAに約165.22万円の資産があれば良いことになります。

月に2万円を35歳から45歳まで積み立てる期間は10年間です。

年利4%で運用した場合の将来価値を計算します。

 * 35歳から45歳までの積立額の将来価値 (FV1)

   * 毎月の積立額: 2万円

   * 年間積立額: 2万円 \times 12ヶ月 = 24万円

   * 積立期間: 10年

   * 年利: 4% (月利: 4% / 12ヶ月 = 0.04 / 12)

   この期間の積立額の将来価値は、年金終価係数 (Future Value of an Annuity) を使って計算します。

   ここでは、年利で計算し、各年末に24万円が積み立てられるものと仮定します。

   FV_{annuity} = P \times \frac{(1+r)^n – 1}{r}

   ここで、

   P = 毎年の積立額 = 24万円

   r = 年利 = 0.04

   n = 積立期間 = 10年

   FV1 = 24万円 \times \frac{(1+0.04)^{10} – 1}{0.04}

   (1.04)^{10} \approx 1.480244

   FV1 = 24万円 \times \frac{1.480244 – 1}{0.04}

   FV1 = 24万円 \times \frac{0.480244}{0.04}

   FV1 = 24万円 \times 12.0061

   FV1 \approx 288.1464万円

 * FV1を45歳から64歳まで年利4%で運用した場合の将来価値 (FV2)

   * FV1: 約288.1464万円 (45歳時点の積立額の合計)

   * 運用期間: 64歳 – 45歳 = 19年

   * 年利: 4%

   FV_{single} = PV \times (1+r)^n

   ここで、

   PV = 45歳時点の資産額 = FV1 = 288.1464万円

   r = 年利 = 0.04

   n = 運用期間 = 19年

   FV2 = 288.1464万円 \times (1+0.04)^{19}

   (1.04)^{19} \approx 2.106849

   FV2 = 288.1464万円 \times 2.106849

   FV2 \approx 607.03万円

 * 64歳時点で2,000万円を受け取るために、35歳時点で必要な資産額の将来価値 (FV3)

   64歳時点で2,000万円を受け取る必要があります。

   これは、35歳時点の積立NISAの資産と、35歳から45歳までの積立額の合計が、64歳時点で2,000万円になるという考え方です。

   よって、35歳時点の資産をX万円とすると、

   X \times (1+0.04)^{(64-35)} + FV2 = 2,000万円

   X \times (1.04)^{29} + 607.03万円 = 2,000万円

   (1.04)^{29} \approx 3.12353

   X \times 3.12353 + 607.03万円 = 2,000万円

   X \times 3.12353 = 2,000万円 – 607.03万円

   X \times 3.12353 = 1392.97万円

   X = \frac{1392.97万円}{3.12353}

   X \approx 445.96万円

したがって、35歳時点で積み立てNISAに約 446万円 の資産があれば良い計算になります。

月に1回の夜勤でもこの威力です。体が動くうちに貯めてしまうのも👍ですね。

資産形成は若いうちが有利と言いますが、看護師はアルバイトをすることで追加資金・積み立て継続をしやすい職業だと思います。過度に退職金を気にしたり、老後資金に不安を感じなくてもいいのではないでしょうか。

ではまた!

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